[ubuntu-jp:5288] Re: 質問です。

Hirotaka Maruyama hyro5239 @ i-ml.com
2015年 6月 29日 (月) 17:14:08 UTC


@岩倉さん

> LTSの場合は、サポートが数年ありますが、最新版は新しいバージョンが出た場
> 合、バージョンアップできるのでしょうか?

デスクトップ版でLTS以外のリリースはstandard releaseと呼び、約9ヶ月間のサポート (security  
fixesやcritical updatesなど)を受けることができます。詳しくはこちら:  
http://www.ubuntu.com/info/release-end-of-life
Standardは半年に1度、LTSは2年に一度というリリースサイクルになりますが、現在の15.04は次の15.10リリース正式版がアナウンスされた際にシステムからアップグレードが可能である旨の通知を受けることで、アップグレードが可能になります  
(設定することもできますし、手動でアップグレードすることも可能です)。引き続き、次々とリリースの度にアップグレードを重ねることは可能です。ただし、明確なエビデンスがある訳ではないのですが、ある程度の段階で新規インストールを挟んだ方がよりシステムを健全に運用できることが多いのも事実です  
(例えばstandardを2 or  
3回upgradeで上げて、その後1度新規インストールでLTSを入れる...etc)。実際にどういったスパンでどのリリースを入れているのかは、他の多くのUbuntuユーザーに訊いてみるのも良いでしょう。

> 最新版の場合、多くのバグがありますでしょうか?

これはお答えに困る典型的なご質問ですね・・。キーポイントはお使いのhardwareが何であるかという点、Ubuntuで何をするのかという点に尽きるかと思われます。例えば、比較的新しいH/Wなどでは、最新のシステムでなければ起動や認識すらしない可能性もあります。あるいはよく知られた、枯れたH/Wの上で定番のアプリケーションを安定的に運用したり、最新のデスクトップ体験に懐疑的であるならあまりリリース  
(というより最新のアプリケーション環境)を躍起になって追いかける必要もないでしょう。仮にそうであるなら、ある人にはより新しいリリースのほうがstableであり、またある人にとっては枯れたリリースのほうがstableだと言えます。

新しいリリースには多くのバグが改善していることに期待できる面もありますし、逆に今までに遭遇したことのない新たなバグに出会うかも知れません。どんなOSでもそうでしょうが、リリースとはバグフィックスのためだけに行われる訳ではありません。より新しい機能や性能を紹介する機会でもあります。事実、私見ですがstandardのほうがLTSより安心して使えるという現象も過去に何度かありました。こればかりは実際にお使いになってご判断頂くしかないかも知れません。ただし、多くの方が言う「LTSに”ハズレ"が少ないからLTSを入れなさい」というのも事実でしょうし、サポート期間が長いので安心感がある  
(セキュリティなどがstandardより堅牢であるという意味ではありません。セキュリティフィックスが提供される期間が長いという意味です)という事からも、Ubuntuをあまり知らない方にLTSをお勧めするのは妥当だとも思います。

ここで最も大事な事は、Ubuntuの場合、正式リリース版がリリースされたタイミングで全てのバグが改修されている訳ではありません  
(LTSであってもなくてもです)。必ず多かれ少なかれ"リリース時点での既知の不具合"というものが存在します。それらはリリース後のupdatesにより改善される場合が殆どですが、稀に次のバージョンリリースまで持ち越す場合もあります。広く認知された既知の不具合というものは必ず"Release  
notes"というものに列挙されるので、アップグレードの前に必ず目を通す習慣をつけてもらえると助かります。例えば日本語版Ubuntu  
Wikiだとこういったもの: https://wiki.ubuntu.com/VividVervet/ReleaseNotes/Ja  
(これは15.04のrelease notesを日本語訳したものです。)

いずれにせよ、少なくともMicrosoft謹製OSに対するよりは「温かく、広い心」でUbuntuの新しいリリースをお祝いしてもらえるととても嬉しく思います。

> その他、最新版のリリース時期は決まっているのでしょうか?

上記release end of  
lifeによると、現時点では16.04LTSのリリースまではアナウンスがあるようですね。基本的にはversion番号の命名規則が示すように、4月と10月の年2回のリリースが予定されるのがこれまでの通例です。現在Ubuntu  
MATE 15.04を特に不具合なくお使いであるなら、15.10を経て16.04LTSを待ってみるというのが王道でしょう  
(ただし、各リリースに対する意見や印象はあくまで主観的なものなので、より多くの方の意見を訊いた方が良いでしょう。正直なところ、私などは正式リリース版を殆ど使ったことがなく、pre-alpha、alpha、beta、final  
beta、release  
candidate、そして次のpre-alphaという具合に常に最新環境が必要な人間なので、むしろ参考になる意見ではないかも知れません)。


とりあえず、夜中に長々とすいません (汗

H.Maruyama

On 06/29/2015 10:58:38 PM, 岩倉昌幸 wrote:
> 初めまして。岩倉と申します。Linux歴1ヶ月半です。
> 
> XPのサポート切れの為、Linuxを入れる企業等が多くなってきまして、中小企業
> ですが、私も例外ではなくて
> Linuxを使うことになり、大昔にVine LinuxをWin98?とデュアルブートを興味本
> 位でちょっと知ってただけで、
> 移行に使うディストリビューションを選ぶ事になりまして、「Linuxを入れよ
> う」のサイトにあるLinuxを全て入れた次第です。
> 
> Linuxの仕来り?というのをまだ理解してないので質問をさせて下さい。
> 
> まず、自分が使っているのは、Ubuntu MATEなのですが、このバージョンは
> 15.0.4をいれてあります。
> 14.04のLTS版では起動時に/swapをマウント出来ず、フォーラム等を見てみまし
> たが、自分のエラーと違うので諦め
> 試したLinux全部14.04のLTSのバージョンはみんな文字化けと/swapをマウント出来ず
> 最新版のみ普通にインストール出来ました。
> 
> LTSの場合は、サポートが数年ありますが、最新版は新しいバージョンが出た場
> 合、バージョンアップできるのでしょうか?
> 最新版の場合、多くのバグがありますでしょうか?
> その他、最新版のリリース時期は決まっているのでしょうか?
> そのたびにインストールしなければならないとなると、かなり大変ですので。
> そういうわけで、教えていただければ幸いです。
> 
> 最後になりますが、私の環境は、
> 
> Dynabookノート、デュアルCeleron、HDD750GB、メモリ4GB です。済みですが、
> 問題なく使っております。
> 
> では、宜しくお願い致します。
> 
> 




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