[ubuntu-jp:2574] Takaoフォントをリリースしました

Jun Kobayashi jkbys @ ubuntu.com
2010年 2月 15日 (月) 20:43:28 GMT


Ubuntu Japanese Team 小林です。

IPAフォントをベースとした「Takaoフォント」をリリースしました。
以下のプロジェクトサイトで配布しています。

  https://launchpad.net/takao-fonts

IPAフォントは高品質な日本語アウトラインフォントであり、ゴシック体と明朝体の
両方が含まれています。これをUbuntuの日本語標準フォントとすべきではないかという
意見がありましたが、以下の点から実現していませんでした。

 * Ubuntu上で使うにあたり、以下の問題がある。
   - 一部のアプリケーションで半角幅の文字が全角幅で表示される。
   - 日本語変換の未確定文字列に下線が表示されない。

 * ライセンス上、改変したものを「IPAフォント」という名称で再配布できないため、
   コミュニティにおいて上記の問題を解決するための改良とテストを行うことができない。

 * 上記の問題が解決された新しいIPAフォントがリリースされても、新たな問題が発見
   された場合にコミュニティで対応することができないことは変わらず、Ubuntuチーム
   が品質を保証できないということになる。

こういった状況についてCanonical社のKevin Huang氏と相談した結果、「IPAフォントの
名前を変えた派生フォントを作成し、コミュニティで保守するのが良いだろう。」
という結論に至りました。そうすれば、Ubuntuの標準日本語フォントにできる可能性も
出てきますし、コミュニティでバグ情報を共有し、修正できる体制をととのえることは、
他のLinuxディストリビューションやその他の製品、そしてIPAフォント自体にとっても
良いことであるように思われたためです。

なお、Takaoフォントの初期バージョンは、株式会社グッデイの西山氏が作成された
「ORCAフォント」用のIPAフォント修正スクリプトを改変したものを使って生成しています。

Takaoフォントの名称は、IPAフォントのベースとなったTB(タイプバンク)ゴシックおよび
明朝のデザイナーである、故・林隆男氏のファースト・ネームからいただきました。
この名称を使用するにあたり、グッデイ社長の前田氏の紹介により、林隆男氏の奥様である
林久美子氏のご了解をいただいています。グッデイさんには引き続きTakaoフォントの
メンテナンスに参加していただく予定です。

-- 
Jun Kobayashi



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