[ubuntu-jp:522] Re: 「ワード」など 国は購入せず

Fujimaki Haruyuki fujimaki at sakura.cc.tsukuba.ac.jp
Tue Jul 3 01:43:51 BST 2007


藤巻です。

> マイクロソフトが「Office 2007」で新たに採用した文書フォーマット「Open
> XML」は,標準化団体のEcma Internationalによって「ECMA-376」として
> 標準化されており,総務省の言う「その他の公的規格」
> に該当すると考えられる。

MS社から迅速かつ強い抗議があったのでしょうね。
現在総務省内で審議されているもう一つのガイドライン「相互運用性フレーム
ワーク」にある
「利用者たる国民に、その特定ベンダーが提供する製品やサービスの利用を強制
することがないように、配慮する必要がある。」
「そのデータにアクセスするために特定の製品を購入しなければならないなど、
利用者に新たな投資を強いるものであるべきではない。」
との指針を正しく運用すれば、MS-Office以外十分に実装できていない(あるい
はオープンソースソフトウェアがまだ対応していない)OOXML形式を標準とすべ
きではないはずです。

ともあれ、仮にOOXMLが政府標準として指定されたとしても、これまでなしくず
し的にdocやxlsが標準形式となっていた状況よりずっとよい方向であるのは確か
だと思います。OOoは2,3年でOOXMLに概ね対応するでしょうから。

この「誤報」で喜ばしいのは、WordやExcelと機能的に変わらない無料のソフト
が存在すること、現に一部の役所で使われていることを数百万人の国民が知った
ということ、また、OSSにたいへん好意的なディレクターがNHKにいることがわ
かった、ということだと思います。
少しずつよい方向に進んでいます。OSSの強みの一つは、時間に追われている民
間企業と異なり、破産することがないので、しぶとく生き続け、じわじわ"感染"
する点です。



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