[ubuntu-jp:4326] 【注意喚起】「最新を追いかける」目的でproposedを使わないでください

Fumihito YOSHIDA hito @ ubuntu.com
2013年 3月 14日 (木) 03:19:27 UTC


一部の雑誌等で、「Ubuntuの最新を追いかけるにはproposedリポジトリを
有効にする」といったノウハウが広まっているようです。

これは、二重の意味で間違っていますので注意してください。

「最新を追いかける」ことを意図してproposedを利用してしまうと、目的が
単に達成されないばかりでなく、システムが不安定になります。

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proposedリポジトリとは、<リリースコードネーム>-proposed という
コンポーネント名で提供されるパッケージ群です。Ubuntuでは、この
リポジトリは「すでにリリースされたUbuntuにおいて、アップデートを
提供する際にテスト的に投入する場」として利用されています。

主にSRUプロセス[1]で利用されますが、きわめて実験的なパッケージも
提供されることがあり、「特定パッケージのバグ修正パッチ評価」以外の
目的で利用するべきではありません。通常は、バグ報告をしたユーザーが、
修正版候補を評価するために利用し、その際も「目的のパッケージだけが
ダウンロードされるように」設定[2]して用います。

[1] https://wiki.ubuntu.com/StableReleaseUpdates
[2] https://wiki.ubuntu.com/Testing/EnableProposed

次の2点に注意してください。

(1)

もしもUbuntuの最新版を追いかけるのであれば、「リリースに至っていない
バージョン(開発版)」(2013/03現在であれば13.04を意味するraring)に
更新してください。

開発版も相応に不安定ですが、proposedも危険度は変わりません。むしろ
ユーザーが少ない分、より危険であるという解釈も可能なレベルです。

(2)
proposedリポジトリを有効にし、投入される全パッケージを受け入れることに
意味があるのは、次のような場合です。

 ・いわゆる「staging / production」モデル、つまり本番環境を保護する
  ために、投入される実験的なパッケージをテストしておく、本格的なQAを
  行う場合。

 ・システムが壊れることを腕試しとして楽しむ場合。

こうした、ある種特別な事情がないのであれば、proposedリポジトリを有効に
しても、ほとんど意味がありません。

proposedリポジトリに投下されるパッケージは通常の開発版よりも品質が
低いこともあり、潜在的なシステム破壊のリスクは非常に大きなものです。
Ubuntuのproposedには、experimental的な修正が加えられたパッケージが
投下されることもあり、単に有効にするには非常に危険です。



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