[ubuntu-jp:1085] Re: #ubuntu-jp IRC Meeting digest 2008-09-16

"edry(えどりぃ)" go at edry.jp
Wed Sep 24 07:06:33 BST 2008


edry(えどりぃ)です。

説明を補足します。

> この部分の「貢献度を度外視したコミュニティ」というのがイメージできませんでした。
これは言葉足らずでしたね。

協力しやすい環境を作るという意味で、貢献する意志のある人に権限を与える時に
貢献度を度外視して、権限と責任を与えることができるコミュニティーです。

「貢献度」と「責任」と「権限」の内、度外視するのは貢献度だけであって、
他の責任と権限を軽視することではありません。

コミュニティー内の活動において「責任と権限」は不可分であると思いますが、
「貢献度」はそれと分けて考える余地があるというものです。


柴田さんの意見に、上記の考え方を付け加えてみます:

> 例えばパッケージの作成を例に出させていただきます。Ubuntuのリポジトリにある
> パッケージは世界中で利用されています。もし、このパッケージを「貢献度を度外視して」
> 誰でも修正・アップロードできるとどうなるでしょう。皆が自分の都合だけで「修正」
> したいことを勝手に適用していけば、あっという間に破綻してしまわないでしょうか。
そのパッケージを作成する「責任と権限」を度外視すると破綻すると思います。
しかし作成したパッケージがちゃんとしていれば「貢献度」は度外視できると
考えています。(ここに考える余地あり)

> そこで、パッケージの修正権限を持った人は、これまでの貢献や実績から
> 「パッケージについて十分な知識を持っている人」に限られています。
確かにこの部分は貢献度を度外視することはできません。

> しかしながら修正の「提案」を行うことは誰でもできます。修正権限を持つ人々は、
> 各々の提案が、自分の知識と照らし合わせて適切かどうかを判断し、
> 決定を下していきます。提案を行うことや決定をくだすこと自体に提案者の
> 「これまでの実績」は関係ありません。
確かにこの部分は貢献度を度外視することができます。

> さらに、「提案」を行うこともまた「貢献」です。提案を繰り返していけば、
> その提案内容から、元々権限を持った人は、「この人なら、任せても大丈夫だろう」
> と判断できます。そして他の権限を持った人に、「これまで、これこれこういう
> 形で貢献してきてくれた人なので、能力知識ともに十分だと判断します」
> と、紹介することができます。そしてまた一人、権限を持った人を増やすことが
> できるのです。
現状では、これがコミュニティーの実態だと思いますが、それは今後も必要です。
しかし、「提案」は貢献の実績を作る手段の一つでしかないと考えているので、
それとは別の手段が貢献度を度外視するやり方です。

> もし、「貢献度を度外視する」となると、権限付与者の直感によって
> 権限を与えるかどうか判断するか、すべての人にすべての権限を与えることに
> なるような気がします。それとも、何か別の(閉鎖的でない?)判断基準をもって、
> さまざまな権限を与えるということになるのでしょうか。
まず、「権限付与者」を現在のコミュニティーで具体的に示すと日本チームの合議
となるのでしょうか。日本チームの合議で「すべての人にすべての権限を与える」
なんて本当にやると思いますか? それは杞憂ではないでしょうか。

仮にそのような決定をしてしまうチームなら「すべての人にすべての権限を与える」
とした方が、他の人が責任を持って正すことができるようになりますので、ある意味
正しい決定だと思いますが、これは極論でしかありませんね。

しかし、合議がそういった問題を回避できるという点は重要です。


別の判断基準で権限を与える、という方法があるかについては、「権限と責任」を
与える時に、この合議を取り入れる方法があると思います。

日本チームは今忙しいでしょうか? そこに人が加わると何が起こるでしょうか。
やらなければならないことを説明したりしても、英語とか開発とかできない人だと、
手間が増えるだけですよね。だから、できる人が来るのを待っていると思うのです。

判断基準が「できるから権限を与える」となってますが「権限を与えてやってもらう」
にしてみるのも一つの手です。

具体的な例を挙げると、日本チームが解決したいと思う問題を「誰かやってみない?」
と声明をだして、「責任と権限」与えてやってもらうのです。←ここ貢献度は度外視。
もしくは「何かやりたいことはない?」として活動してもらうのもいいと思います。

その問題への取り組みは一人に権限を与えるのではなく、三人で一つのチームにして、
チームの合議による決定を可能とします。そして、チームの活動内容を透過的にする。
つまり、日本チームのやっていることの縮小版チームです。

こうした権限の委譲を行うことができる「貢献度を度外視したコミュニティー」は、
透過的で生産的な活動を可能にするのではないかと考える次第です。

しかし、この透過的というのは難しいかも知れません。実際にフォーラムの運営では
問題があったら管理者に報告するような方針ですが、Code of Conduct(行動規範)
( http://www.ubuntulinux.jp/community/conduct ) を規制の基準としていますし、
審議の内容は非公開です。

問題があったときに行動規範に沿って、透過的に解決することが日本チームにできる
状態になければ、権限の委譲をすることはできないと思いますので、課題としてあり
ます。



最後に、もう一つ気が付いたことがあります。

「提案」は「貢献」であるという考えを持っていますが、それがやり甲斐となるかは、
その後の結果次第です。今回の提案も成果に結びつかなければやり甲斐になりません。

ですから、意見を出してもらっても、動機付けができないと続きそうに無いですね。
これは意見が出てこないことや、出し続けられない理由の一つであると思います。

権限の委譲を考え付いたのは、責任を持って成果を出してもらうことで、それが貢献
することへの動機付けとして活かされると思ったからです。

現状で日本チームに意見を出したとしても、引き受けられる余裕はあまりないと
考えていますが、そこで単独の活動を行おうとしても権限が無いので、最終的に
日本チームが動くのを待っているしかありません。この停滞を解消することが、
権限の委譲という訳です。




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