[ubuntu-jp:456] 経産省の「相互運用性フレームワーク(案)」

Fujimaki Haruyuki fujimaki at sakura.cc.tsukuba.ac.jp
Mon May 28 18:16:08 BST 2007


おはようございます。藤巻です。

既に御存知の方も多いと思いますが、経産省が「情報システムに係る相互運用性
フレームワーク(案)」を公開し、明日(5/30)まで意見を募集しています。
http://opentechpress.jp/news/07/05/02/0826218.shtml
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=595207021

今回の「相互運用性フレームワーク案」、画期的な内容です。
一読をお薦めします。
革命的とも言える指針をいくつか紹介します。長文失礼します。

「今後のすべての政府情報システムの調達において、原則としてオープンな標準
とそれに基づく仕様に準拠するソフトウェアの使用を行う。」

「電子政府を構築するコンピュータ製品及びサービスの調達を行う際には、電子
政府の一部となるコンポーネントが実質的に特定ベンダーだけが提供する技術に
依存し、将来にわたりその特定ベンダーからの製品又はサービスの調達を継続せ
ざるを得ない状況に陥らないよう配慮する必要がある。また、電子政府を構築す
るコンポーネントが特定ベンダーが提供する技術に依存している結果、利用者た
る国民に、その特定ベンダーが提供する製品やサービスの利用を強制することが
ないように、配慮する必要がある。」

「オフィス文書等、長期間蓄積される、また複数の利用者によって交換再利用さ
れるデータに関しては、将来にわたってそのデータに対するアクセスが保証され
る形式(フォーマット)でデータが格納される必要がある。そのためには、ベン
ダー独自の技術に依存しており他のベンダーが合法的にその形式で格納されてい
るデータにアクセスする手法を開発することができない方式、またはデータの論
理構造が公開されていない形式を用いてデータを格納・保存することは望ましく
ない。またそのデータは、そのデータを作成した政府公共機関外の利用者(例え
ば国民)によって広く活用される場合もあるので、データ形式は複数の技術・製
品によってサポートされ、そのデータにアクセスするために特定の製品を購入し
なければならないなど、利用者に新たな投資を強いるものであるべきではない。」

「政府及び公共機関は、政策に関する透明性の確保、説明責任の履行及び国民参
加の拡大を実現するため、公的な文書について、アクセスの容易性、長期にわた
る保存・閲覧を保証するため、実装可能な限り、データ及びファイルのフォー
マットがオープンな標準に適合したソフトウェアを調達するべきである。」

「具体的には、原則として、独自の機能、独自のデータフォーマット及び独自の
方式を使用せず、国際規格・日本工業規格等のオープンな標準に基づく要求要件
の記載を優先する。また、要求要件として提示することが必要な機能を列挙する
等により、特定のハードウェア及びソフトウェアについて有利な要求要件の記載
とならないようにする。」

このように、批判すべき箇所を探す方が難しいくらい、的を得た内容で、もし策
定され、政府調達において徹底されればOSS普及の大きな追い風になるでしょう。
そのため、この指針で損失を被る独占企業の社員による「パブリックコメント」
が多数寄せられる可能性があります。
少なくとも、僕が経営者であればこれを批判する意見の送付を多数の部下に指示
するでしょうし、族議員に献金攻勢をかけてつぶしにかかります。

ですから、省内の本提案の推進グループを援護するような意見を、多く寄せてお
きたいものです。
つきましては意見の送付を呼びかけます。明日〆切です。

単に大賛成です、でもいいと思いますが、僕の場合、いくつか気になる箇所があ
りましたので、以下のようなコメントを送りました。
http://www.agbi.tsukuba.ac.jp/~fujimaki/attach/a_comment.html

藤巻晴行



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